仕事が覚えられない新入社員へのアドバイス
新入社員にありがちな心の問題
毎年恒例のように言われるのが新しく入社してきた若い新社会人の問題です。
たった10年程度の差であってもここ近年では急激に社会的な価値観には変化が見られており、年配世代の人だけでなく先輩世代にとっても毎年の新人たちが考えていることが理解できないということがよくあります。
ここ近年で最も大きな変化となっているのが「ライフ・ワーク・バランス」に対しての意識で、会社で仕事をするときに私生活をどこまで犠牲にして仕事をしていくかということに関してかなり世代間での意識の差があるようです。
そうした仕事に関する意識は仕事そのものの質に関しても大きな違いになってくることがあるようで、先輩が後輩に対して仕事を指示したにも関わらず思うようなクオリティにいつまでたってもできないということもあったりします。
入社したての頃はいきなり仕事をしろと言われてもできないことの方が多いので仕方がありませんが、中には二度三度と同じことを指示しているにも関わらず何度も同じミスを繰り返してしまうという人もいます。
年上の先輩社員からすると、何度も指示をしているにも関わらずできない人というのは「覚える気がない」「真面目に指示を聞いていない」というような本人の不真面目に原因があると思ってしまうところです。
ですがそうした仕事の覚えは本人の気持ちだけでなく、仕事そのものに関する意識やもっと深い部分にあるものの考え方に原因があるということもよくあります。
精神論だけに帰結してしまうのはNG
なかなか仕事を覚えることができない新人に対し、多くの先輩社員がやってしまうのが「精神論での説教」です。
「お前の根性が足りないんだ!」「もっとやる気を出せ!」といったような気持ちの問題だけで目の前の仕事の問題にあたらせようとしてもそれで解決できることはまずないでしょう。
もし本気でその新人に対して仕事を覚えさせようと思うなら、頭ごなしに叱りつけたり人格を否定したりするのではなくなぜなかなか覚えることができないかという気持ちに寄り添って考えていく姿勢が必要になります。
ここ最近は新人社員にうつ病が増えていますが、それは本人自身が仕事を頑張ろうと思っているのに対して思うように成果を上げることができずそれが落ち込みの原因になっているということも多いのです。
頭ごなしに叱責をすることを繰り返していると何かミスをした時に報告をすることを萎縮するようになってしまうので、それがまた新たなミスを呼びこむことになったり積み重なって大きな不祥事に発展することもあります。
最も大切なのはミスをしたらそのミスがどうして起こったかということを自分自身で考えさせるようにするということで、問題の結果だけに結論を求めずどういった課程によってそうなったかということから次のミスを防ぐようにしていきます。
配置換えなど柔軟な対応も考える
仕事が覚えられない新入社員にまずやらせるべきこととしては、「自分でメモをとらせる」「失敗が起こったらその都度考えさせる」といったあくまで自分自身で解決をさせるということがあります。
このときついやってしまいがちなのが「こうした方がよくなる」「次からはこうしろ」といった先輩の経験に基づく指導なのですが、これは指示を出す側が考えているほどよい結果が出ることはあまりありません。
どういうときにミスが起こり何を見落としがちになるかということは人によって異なるので、ミスのケースについては前例に学ぶことはできてもその解決方法を完全に真似させるということはあまりよい方法とは言えません。
しかしどれだけ粘り強く教えてもどうしても仕事を覚えることができないということもあります。
そうした場合、仕事の方法ではなく本人の適性としてどうしてもできないということも考えられます。
本人の希望にもよりますが、なかなか仕事に慣れることができないという場合にはすみやかに別の課に配置転換をするなど会社側が柔軟に対応をしていくことが望ましいです。