あなたの貯金額、平均貯金額よりも多い?少ない?
平均貯蓄額が1805万円て本当?
2016年5月17日に総務省が発表した資料によると、日本における家計調査報告では二人以上の世帯における平均貯蓄額は1805万円ということです。
この数字は前年度の同じ調査額よりも7万円アップしており、3年連続で過去最高を更新するという結果になっています。
現在の日本は長期デフレの状況にあり非正規雇用など雇用の不安も年々高まっているというような報道がある一方で、一世帯あたり1800万円もの貯蓄が平均的に持たれているというのは非常に違和感を覚えます。
実際に自分の周囲にいる人たちに対して貯蓄額が本当に1800万円以上も持たれているかと尋ねてみると、ほとんどの人が「そんなにあるわけない!」と返答をすることでしょう。
それもそのはずでこの1800万円という数字はあくまでも全世帯の「平均」であり、ほとんどの世帯が全く同じ収入状況であるということを示すものではありません。
現在の日本においては極端な二極化が進んでおり、冒頭の調査では貯蓄額が100万円以下であるという世帯も全体の11%存在しているということも明らかになっています。
自分の貯蓄額の参考にするなら「中央値」
自分自身の今の資産状況が全体から見て高いか低いかを判断するときには、平均値よりもむしろ「中央値」に注目をするべきでしょう。
「中央値」というのは、全体の数字を全て足して人数で割った「平均値」とは異なり、サンプルとして集めた数字で分布図を作りその中でちょうど真ん中にあたるところはどこかということを出したものです。
また現在の資産保有は年代によって大きな違いがあるということも大きな特徴となっているので、自分の年代に対しての資産額も参考にしないと正しい判断をすることはできません。
言葉だけを聞くと「中央値」と「平均値」はそこまで大きな違いが出ないのではないかというふうに思えるかもしれませんが、実際の計算をしてみればその違いは一目瞭然です。
例えば平均値で見ると20代の貯蓄額は183万円となっていますが、これを中央値で見るとなんと一気に30万円にまで落ち込みます。
おそらく現在20代の人の実感としても、183万円と30万円のどちらが自分の身の回りの人の貯蓄額に近いかでいけば後者と答える人が多いでしょう。
なお順に数字を並べていくと貯蓄平均値は30代415万円、40代614万円、50代1124万円、60代1765万円となっているのに対し、中央値では30代130万円、40代300万円、50代408万円、60代740万円です。
中央値よりも高いからといって安心はできない
平均値と中央値で貯蓄額を見た時、平均値まではないけど中央値は余裕で上回っていると思いホッとした人もいるのではないかと思います。
確かに中央値以上に貯蓄がある人は現在生活をしていく上で周辺の人よりも貯蓄ができていると言ってもよいというレベルです。
しかし中央値以上だから十分に貯蓄ができているかというと決してそうではありません。
数値はあくまでも相対的なものであり、自分自身の老後の生活やライフプランにおいて金額が適正であるかは絶対的な基準で判断しなくてはいけないからです。
人生においてどのくらいのお金が必要になるかは、扶養する家族の数や持ち家などの不動産資産の状況、その他健康状態などにより大きく異なります。
自分自身にとって本当にいくらの貯蓄額が必要かは、他人を標準するのではなく自分自身の生き方からしっかり算出しその上でマネーマネジメントをしていくようにしましょう。