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夫婦で楽しめる老後の趣味

定年退職後の時間の持て余しが引き起こす問題

一時期「濡れ落ち葉」といった定年退職後の夫のことを揶揄する言葉が流行しました。
一応言葉の解説をすると、これはまるで湿った落ち葉が足元に絡みついてしつこくくっついてくることを引き合いにしたもので、定年退職をして自宅にいるようになった夫が妻の行先にしつこくつきまとうことをさしています。

当時は笑い話のように扱われることも多かったのですが、実際は決して微笑ましいものではなくあまりにもそのつきまといがしつこいがために「夫源病」という別の社会現象を作り出すことにもなりました。

再び言葉を解説すると「夫源病」とは、それまで自宅で一人で生活をすることに慣れてきた主婦が定年後時間をもてあますことになった夫に付きまとわれることにより、それで精神が不安になり落ち込むことが増えるようになったというものです。

この場合のつきまといとは、例えばちょっと家事をするために台所や洗濯場に行ったりするという移動にもいちいちついてきたり、買い物をするときにもまとわりついてきてはあれこれ急にダメ出しをしてくるというような迷惑なものであったりします。

なぜそうしたことが起こってしまったかというと、夫側がそれまで仕事をしていたときには何かと周囲が自分のことを気にかけ持ち上げてくれていたということからなかなか抜け出せず、急に一人になったときの時間を使いこなすことができなくなってしまうことが挙げられます。

趣味を持つことでお互いの時間を持てる

それまで何十年ものあいだ繰り返されてきた勤務のスタイルをいきなり変えるというのはなかなか難しいことです。
ですが上記のような極端な妻への依存状態ができるような人というのは、仕事以外に趣味らしいことを何もしてこなかったために、仕事がなくなったときの時間の使いかたがわからないというところに問題があります。

もともと社交的な人なら定年になってから地域の会合に出席したり、何らかの付き合いで時間を潰すこともできるでしょうが、仕事しかしてこなかったために地域との付き合いが薄かったり、そもそも人付き合いが得意でないという人は必然的に気持ちが内側にしか向かなくなってしまいます。

仕事をしてきた時にはそれなりに仲良くやってきた夫婦が、突然二人の時間を多くとれるようになったことで仲が悪くなるというのは非常に不幸なことですので、そうならないためにも定年になる前から上手な時間の使いかたを身につける必要があります。

時間の使いかたとしておすすめなのが趣味を持つということです。
趣味は自分の好きなことを上達するために行うものなので、気持ちにぴったりしたものを見つけたときには没頭をすることができとても楽しく時間を使うことができます。

定年をしたら思いっきり自分の趣味に時間を使うことができるというのは定年前の楽しみにもなります。
まだまだ定年まで時間がある人も、すでに定年を迎えている人もぜひ自分の心と体の健康を維持するために何らかの趣味を持つようにしてもらいたいところです。

どうせなら一緒に楽しめる趣味を

老後の趣味として人気が高いものとして、ウォーキングやハイキングといったアクティブなものから、ヨガや水泳といった健康を意識するもの、他にもダンスや料理などそれまでやりたかったけど時間がなくてできなかったものなどが含まれます。

趣味は一人でも十分楽しいものですが、せっかくですから夫婦で一緒にできるものにするとより楽しく時間を過ごすことができます。
中でもウォーキングやハイキングなどは中高年の愛好家も多く、夫婦一緒に習慣にしているという人も多いおすすめのものです。

ペット好きなら癒しを求めるのも

もし、夫婦でペットを飼うことに不安がなければ、あえて時間が余っている老後にペットを飼うのもいいでしょう。
アニマルセラピーの効果もあるため、気持ちが豊かになったり、散歩をして運動不足を解消できるというメリットも多いです。
一緒に子育てを再開するという気持ちでペットを飼えば、より夫婦の絆も深められるはずですし、時間を有意義に使うことができるでしょう。

しかしながら、やはりペットといえど一つの命です。きちんと責任をもって飼わなければいけないということを忘れてはいけません。
ペットを飼う環境が整えられるか、十分な資金があるか、もし体調不良になった際などに代わりに面倒を見てくれる人がいるかどうかも検討しましょう。

全ての準備が整っていて、いざ飼おうとなった際は、自宅の近くに動物病院があるかどうかも確認して、信頼できる獣医さんを見つけておくと安心でしょう。
ペットも生き物ですので病気やケガをする場合があるので、そのときのためにもペット保険に加入して、万が一に備えておくことも重要です。