老後に孤独になってしまう人の特徴
「孤独な老人」がどうしてできてしまうのか
年々深刻度が増しているのが高齢化の問題ですが、その中でも大きな社会問題となっているのが「独居老人」の増加です。
ここ近年核家族化が進んだことにより一世帯あたりの平均人数はどんどん減ってきている傾向があります。
その裏側で進むのが、家族と離れて暮らす一人暮らしの老人の存在です。
総務省の発表によると平成26年の時点で一人暮らしをしている高齢者は約600万人にものぼるとされており、そのうち年間3万人が孤独死をしているといいます。
一人暮らしをしている高齢者の中には重度の認知症を患っているというケースもあり、地域全体での見守りも届かないところで亡くなるというようなことも珍しくなくなってきています。
家族構成が変わったことにより一人暮らしを余儀なくされるということ仕方がないとしても、地域の見守りが全く届かない状態になってしまうというのはまた別の問題です。
現在自治体では一人暮らしの高齢者に対して戸別訪問をしたり医療や介護の補助をしたりといった福祉政策に力を入れていますので、そうしたセーフティーネットを利用しないもしくは利用できないというのは何らかの原因があると考えられます。
周囲との関係がうまく保てないという問題
高齢者の孤独死などの問題が取り上げられるときには「どうして周囲のサポートが届かなかったのか?」といった家族や近所の人を責める声がしばしば上がりますが、実際には高齢者が自ら周囲との関わりを絶っているということもあります。
人は誰しも年をとるものですが、その時に自分の老いをうまく受け止めることができずそこから周囲との軋轢を自ら作り出すということがよくあるのです。
特に長年大きな会社で要職に就いてきた人などによくあるのが「地域コミュニティを見下して自分から輪に入ろうとしない」ことや「公的なサービスを受けることを施しを受けるようで屈辱に感じている」というようなケースです。
周囲にしてみるとくだらないプライドのようですが、本人がその意識を持っているうちは周囲がどれだけ歩み寄ろうとしてもサポートすることはできません。
そうした人も孤独でいるということは耐え難かったりするのですが、本当は自分も誰か親しい関係の人がほしいのに自分から歩み寄ることができなかったりします。
もし将来的に孤独な老後を送りたくないと考えるなら、いつまでも周囲が自分を持ち上げてくれるとは思わず自分から周囲に歩み寄る姿勢を持てるようにしていきたいところです。
人事ではない貧困高齢者
孤独な老人とともに社会問題になっているのが高齢者の貧困問題です。
すでにギリギリの運用をしている年金だけでは老後の資金を十分に確保することができなくなっており、自分自身の資産の状況により生活のレベルは大きく異なってきます。
意外なことに現役時代にはかなりの高給を得ていたという高齢者の中にもこの貧困高齢者になるというケースはかなりあり、それを周囲がサポートできないままなくなっていくということもしばしばあります。
孤独な高齢者は周囲に相談をする相手がいないため、高額の買い物をしてしまったり、ギャンブルにはまりせっかく貯めた資産の大部分を失ってしまうということがあったりします。
こうした高齢者の依存症も社会問題となっており、周囲との関わりの薄さが引き起こす問題の一つとして重要視されています。